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北尾トロ「裁判長!ここは懲役4年でどうすか」
はまって観てる、「傍聴マニア」の原作本。連載のために裁判を傍聴し始めた著者が、どんどんマニアになっていく様子が判ります。最初だから無駄な動きが多いとか,離婚裁判はくらーくなる、とか、女子高生が来ると張り切る裁判長、とか、事件ものというより、人間ドラマ。
「傍聴マニア」初回で出てきた、人を轢いてしまった被告人が着ていた、ドクロのTシャツは、ほんとにあった話なんですねー。おもしれえ。
オウム裁判も傍聴している北尾氏ですけども、だらだらしちゃって駄目らしい。長引くとそういうものか。しかも、金のためにわざと弁護士が長引かせることもあるらしく、なんという税金の無駄遣い。
この本には、先頃覚せい剤取締法違反で2度目の逮捕となった、田原成貴元騎手の公判の傍聴に行った話も書かれてます。田原、やっぱ変過ぎる!トウカイテイオーで勝った時の男泣きを覚えているだけに、( ゚д゚)ポカーンな私。読んでるだけなのに。それにしても、先日のドラマ「さよならが言えなくて」を観たこともありますけど、薬はほんとに再犯率が高いなー。のりピーはどうなるやら。
巻末に収録されている、傍聴マニア座談会は必読。すっげえ笑えます。恐るべし、傍聴マニア。
飯田裕久「警視庁捜査一課刑事」

この本、随分前に、東映の「ゴンゾウ」のHPで紹介されていたのです。ずっと忘れていたりなんやらで、ようやく手にとりました。
私は刑事ドラマ(というより、水曜夜9時のテレ朝の刑事ドラマというべきか)が好きですが、そんな方には是非。それから、警察に不信感を抱いている方も是非。
著者の飯田さんは、「ゴンゾウ」をはじめ、「米沢守の事件簿」の警察監修をされている方です。「ドラマだから、7割が嘘でも、3割のほんとうで、リアリティが出る」というようなことをおっしゃってます。確かにそうかも。
さて、この本は、飯田さんの警察官時代を書いたノンフィクションですが、彼はまだ40代だったんですね。勝手な思い込みで、警部クラスの方だと思っていたのですが、そうではなく、最終の階級は警部補、しかも、出世にはあまり興味のない感じ。あとがきで、内野さんが演じた「ゴンゾウ」にそっくりだといわれたそうですが、マニュアルに捉われない姿勢が、そんな感じです。
20代前半で刑事の研修を受け、捜査一課に配属され、刑事としては順調のように見えますが、相次ぐ親友の死や被害者家族との交流で、警察を辞して、今の仕事に就くという、別の角度から見れば波瀾万丈の人生だといえると思います。特に、親友との別れは、泣けてきました。人生は一度きり、時間は作るもの、刑事でなくとも常に心に置いておきたい、当たり前なんだけれど重たい言葉です。
単純に、刑事って何してんの、という好奇心を満たすのにもおすすめです。逮捕したらそれで終わり、という訳ではないのですよね。
石井竜也「イノセント」
石井竜也の半生を綴った本らしい。その昔、「アートの祭り」(幻冬舎文庫)という本がありまして、それも読んだんですけども、その頃から10年以上経過しているせいか、ちょっとは大人になってらっしゃる気がします。
この本は、インタビューをそのまま本にしたのか、同じことを繰り返しいっている箇所が結構あって、読みづらい面もありますが(本人が書いたほうがまとまっていたのでは、と思う)狙いだと思うことにするよ。
数年前、石井ファンだった頃、前年の焼き直しツアーをやられてとほほ、となり、どんどん石井氏から離れていったのですが、今も、別れた昔の彼氏の様に、嫌いにはなれず、気になる存在として君臨しております。明るいカールを演じつつ、実は暗くて変わり者、なんだかんだいって常識人、というのが私の石井像。恐らく大体合っているかと思われ。
三谷幸喜「ありふれた生活7 ザ・マジックイヤー」
ようやく出た、「ありふれた生活」の新刊。一昨年の「コンフィダント」の話題からスタートしているところがもうね、三谷さん忙しいんだなあといった感じです。「コンフィダント」の頃、朝日の夕刊を買いに走っていたのが懐かしい。オンタイムで読みたかったので。千秋楽バナナ事件(って、大袈裟か)は楽しい思い出です。びしょびしょのシュフネッケルが、ゴーギャンゴッホスーラに総ツッコミを受けていたのも。
実をいうと、三谷さんの作品をそれ程観ている訳ではない私ですが(映像は、きちんと観ているのは「王様のレストラン」と「ラジオの時間」くらいかも)、このエッセイは大好きなのです。
「コンフィダント」や「グッドナイト・スリイプタイト」の様な作品が大好きですが、ばりばりのコメディも舞台でまた、観たいものです。
群ようこ「三味線ざんまい」
群ようこのエッセイは、最近とんとご無沙汰だったのだが(おばさんが垣間見えるからかもしれん。最近辛くなってきた)、こういう趣味系のエッセイは大好きで良く読んでます。この本は、彼女が三味線と小唄のお稽古を始めてから、名取式までの道のりを書いたもの。
以前、「きもの365日」というエッセイがあったのだが、時系列としては、ちょっとリンクしている模様。群さんは、覚えちゃすぐ忘れる自分を呪いつつ、お稽古に精を出してます。こういう邦楽には楽譜がないことを初めて知ったよ。確かに、昔はiPodはおろか、テープさえないもんなあ。口伝で覚えるしかないのですよね。この本の中にも三遍稽古についての記述がありますが(三遍稽古と書かれている訳ではないが)、その辺、落語にも通じるのかも。落語は基本、今でも録音せず、三遍稽古で覚えるそうな。
私は三味線はさっぱり判らんちんなのだが、「ちりとてちん」のお陰か、ジャンルは違えどすっと入ってきました。これは、親本が2005年発行なので、あれから3年。群さん、きっともっと上手になっているんでしょうね。
森見登美彦「美女と竹林」
森見登美彦 / 美女と竹林
思いきり妙な本を読んでしまった。エッセイなんだか小説なんだか謎の本。三人称で書かれており、主人公は「登美彦氏」。
その登美彦氏は、竹林が好きで、本上まなみも好きらしい。知人が所有する、京都は桂の竹を切り、仕事をし、友人の結婚式の二次会の幹事もし、本上まなみと対談もし、山本周五郎賞も受賞する。竹を切らない言い訳も満載です。読んでて、何度も拭き出しました。とにかく、この人も本も妙です。
登美彦氏は京都在住なので、知っている土地がばんばんでてくるため、余計に面白かったのかも。
