三浦しをん「むかしのはなし」

むかしのはなし三浦しをん/むかしのはなし
三浦しをんの小説には2種類あって、「風が強く吹いている」や「仏果を得ず」のような、ストレートで読みやすいエンターテイメントと、「秘密の花園」や「私が語り始めた彼は」の様な、静かな恐怖を感じる小説。私が好きで、何度も読み返してしまうのは前者なのだが、後者の小説は、脅えつつもページを繰る手を止められない。

で、この「むかしのはなし」は後者。第133回の直木賞の候補にもなってます(地球に隕石が衝突するくだりで、ぼろくそにいわれてますけどね)。この人の書く登場人物は、どこか欠陥があって、そこが魅力的なのです。時々、ぞっとするくらい冷たい男が登場したりして。「ラブレス」の「俺」もそうだし、「懐かしき川べりの町の物語せよ」のモモちゃんもそう。物凄い桃太郎もいたもんですが。

そうそう何度も読み返す話ではないでしょうが、それでも時々は手に取りたくなる、そんな小説になりそうです。私にとって。そういえば、「まほろ軒」はいつ、文庫化されるのかなあ?あと、関係ないが、山本文緒の新刊(小説)が出てた!読まなくては。

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