横山秀夫「クライマーズ・ハイ」
クライマーズ・ハイ 映画化もされた、ご存知横山秀夫の長篇小説。堤真一主演、原田眞人監督ということで、ちょっと観てみたいなと思っております。
「半落ち」(ドラマ版)、「深追い」「震度0」と、映像で横山作品を幾つか観ているのですが、小説を手に取ったのは初めてでした。面白かった!通勤と休憩時間を使って、がっつり読みました。以下、思い切りネタばれ。
1985年、日航ジャンボ墜落事故が起き、地元の新聞社に勤める悠木が、その全権キャップに任命され、過去の栄光にすがる上層部や、熱い下の世代に揉まれながら、新聞を出していくという話です。事故の直接的な描写はなく、新聞社の内部が舞台。ですので、登場人物は男ばかり。悠木の妻、悠木の同僚の安西の妻、下っ端の千鶴子、そして、望月彩子という女性。こんなもんですかね、女性は。男の職場での人間関係は、女なんかよりもよっぽどどろどろしてる、と改めて思ったし、女同士よりも男同士のそういう話のほうが好きな私です。
斎藤美奈子さんが、「敗者の物語」であると、この小説について書いてますが、全くその通りだと思います。悠木も、彼を衝立岩に誘う安西もそう。彼が倒れた原因は、直接は書かれませんでしたが、ストレスのせいか、それとも消されたのか、どっちにも取れるような感じでした。事故から17年後、彼の息子、燐太郎と衝立岩に登るところが挿入されますが、ここも非常に良かったです。日航の事故の後、悠木は島流しになりますが、それを受け容れるのもまた良し、と思わせました。そして、燐太郎とのやりとり。これ以上ないハッピーエンドだったのでは?読後感も良かったです。

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