海堂尊「チーム・バチスタの栄光」
![]()
第4回「このミステリーがすごい!」大賞受賞作だそうです。ながいな、賞の名前が。
例によって、本を持って出るのを忘れ、悩んだ挙句、何週か前の「ブランチ」で紹介していた事を思い出し、投げやり気分で買ったんですが。
面白かったです。かなり。
普段、ミステリーを読まないんですが、これは、種明かしそのものよりも、登場人物のキャラが立っていて、そこが楽しめた要因かと。
主人公の田口公平は不定愁訴外来のお医者さん(内科医)。連続して起こった術中死の原因を探るように院長に打診され、仕方なく引き受けた、出世欲のかけらもない男。後半から登場する、厚生労働省のお役人、白鳥圭輔は、非常に頭は切れるけれど、変人。
その他、院長やら、噂好きの医者やら、不定愁訴外来の看護師さんやら、チーム・バチスタの面々やら、周到にキャラ付けされてます。
連続した術中死は、医療過誤なのか、殺人なのか、それとも、単なる不運が続いただけなのか。久々に小説にのめり込んで読みました。
不定愁訴外来って、どっかの病院に実在するんですかね?しねえか。身体はすっかりなんともないのに、何かしらの原因で(医者の説明不足とか)痛みが取れない人たちなどの話をじっくりきいてあげるお医者さん。別名愚痴外来っつうのも頷けるわ。
ミステリというより、大学病院内の人間関係の面白さの方が楽しめた。前述のとおり、皆キャラが立ってるので。田口だって嘘をつくし、他の人も勿論つく。まともに観てないけど、「白い巨搭」だって、病院内の権力争いが詳しく描かれてますよね?
それから、田口と白鳥がそれぞれ、チーム・バチスタの聞き取り調査をするんですが、それがいちばん面白かった。人間関係は勿論、誰が医者として優秀かも見えてくるし。
巻末に選評が載ってたんですが、誰かが、白鳥の変人ぶりを「イン・ザ・プール」の伊良部に重ね合わせてた。なるほど。伊良部の方が茶目っ気あるし、壊れてるけどね。
ミステリなので、種明かしはしませんが、非常に楽しめる小説でした。奥田英朗の「ガール」と迷ったけど、こっちにして(多分)正解。ありがとう「ブランチ」。

コメントはまだありません。